ミヒャエル・エンデの「ハーメルンの死の舞踏」

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2019-08-02 18:18:18

昨日、ミヒャエル・エンデの
「ハーメルンの死の舞踏」
という本を読みました。

内容が、今の世とオーバーラップしていて
エンデの見通す力みたいなものに、
改めて尊敬の念を感じました。

「ハーメルンの死の舞踏」

面白かったです。

すこし説明しますね。

物語の舞台は、
ハーメルン市です。

ハーメルン市には、
異形の腹から生まれた獣(死の影、悪魔)のようなものがはびこり、

井戸から上がる水は毒され、
悪臭が漂い、食べ物は遠くから高いお金を払って運ばれ、
病人、乞食が、広場を埋め尽くしていました。

ハーメルン市の広場に、
市長夫人アテーラと16歳の娘マグダレーナが登場します。

貧しい人々を見た娘マグダレーナは辛くなり、
「自分も貧しくなりたい」と言いますが、

母アテーラは、「あなたが貧しくなったら
誰が乞食に施しをするの?」と聞きます。

マグダレーナは
「それならお金をください」と言い、
母親のアテーラにもらった財布から
皆にお金を投げ与えました。

そこへ、首切り役人の下僕が、
気を失った老人を引きずってきて、

「この者はかつて預言者だったが、
サタンの下僕となり
黒魔術を使い、災いを生じさせた」

と言い、処刑を命じます。

それを見て、市長婦人のアテーラは、
娘のマグダレーナに

「首切り役人の下僕は、
嘘をついた」と教えました。

(市長夫人アテーラは、
首切り役人や自分たちが崇めている存在が化け物で、
預言者は、真実の神を崇めていることを知っていたのかもしれません。)

その後、母親アテーラは、腐敗と死のにおいが漂う、
陰鬱な地下の大空間に
娘のマグダレーナを連れていきます。

地下には、市長(父親)が待っており、

「マグダレーナ、今日お前は、
長年この町の富者たちを結びつけてきた
試練
を受けることになる」と告げました。

母親アテーラは、娘に
「身につけているものをすっかり取り、
主を拝むように」と言います。

町の富豪たちが、黒ミサに列席するために集まり、
皆が金の仮面を付けています。

聖櫃の中では、身の毛もよだつような
魔物の像が、ゆっくりと、止まることなく回り続け、

尻が前に回ってくるたびに、化け物は、
祭壇上の大杯の上に、金貨を一枚ひり出します。

金貨が一枚ひり出されると同時に、
化け物と同じ形をした、小さな影のようなものが放たれ、
外へ飛び出していくのでした。

マグダレーナは、それを見ながら、

「そこに落ちてくる金貨1枚ごとに、
死の影が、外の世界に出ていくのね。

私達がもらう金貨1枚ごとに、
何かが死ぬことになるのね、

木か、動物か、河か、それとも子供か・・」

とつぶやきます。

父親の市長は、

今となっては、もう戻ることもできん。
このまま先に進むよりほかない。

われら自身が、悪魔の循環に巻き込まれ、
はてしなく回り続ける。

この地がこれほど荒れ果てて不毛になったからには、
それだけいっそう遠くから、ものを取り寄せねばならない。

だからこそ、金がいくらでも必要になる。」と言います。

マグナレーナが、

「みんなが拝むのをやめたらどうなるの」と聞くと、

「そうなれば、永久に動きが止まり、
金貨もいただけなくなり、
困窮は幾百倍にも深まろう」

と父親は答えます。

マグダレーナは、一緒に化け物を拝むのは
絶対に嫌だと言って逃げ出しました。

しばらくすると、
広場に、笛を吹く魔術師がやってきました。

笛吹き男は、尻から金貨をひり出す
大王ねずみがほしいと、
笛の音で伝えました。

市長夫人アテーラは、
笛吹き男に甘い言葉をささやき、
魔法の笛を奪いとり、
笛吹き男が暴力をふるったと嘘をつきました。

笛吹き男は捉えられ、
さらし柱にくくりつけられてしまいます。

市長は、笛ふき男をさらし柱に立たせておき、
今日はビールもワインも無料で振る舞うから、
浴びるほど飲むようにと皆に話しました。

仮面をつけた一団が登場し
踊り始め、役人も侍女も皆、
ビールとワインを飲み、踊ります。

その途中、子どもたちが
わら人形を持ってきて、誰も見ていないすきに、
笛吹き男を解き放ち、
代わりにわら人形をさらし台に掛けました。

解き放たれた笛吹き男は、
大王ねずみの住む地下聖堂へ向かいます。

笛吹き男へ、死の精が迫りますが、
そこへ、仮面をつけたマグダレーナが登場し、
母から取ってきた笛を渡しました。

笛吹き男が笛を吹き始めると、
大王ねずみの回転速度はどんどん遅くなり、
ついに止まって色あせました。

ところが、マグダレーナの母親アテーナが登場し、
笛をよこすように言うと、
金の燭台をつかみ、マグダレーナに打ちかかりました。

マグダレーナは床に倒れ、
笛吹き男は、暗闇に姿を消します。

アテーラは、マグダレーナの仮面を取って、
自分の娘だということを知りますが、

マグダレーナは、そのまま死んでしまいました。

そして、大王ねずみは、また回りはじめました。

笛吹き男は、
貧しい子供たちも金持ちの子どもたちも一緒に連れて、
カルヴァリー丘の刑場へ行きました。

笛吹き男が笛を吹き始めると、
丘がゆっくりと開き、
その裂け目から黄金色の光が射してきました。

子どもたちは、順に立ち上がり、
夢見るように、裂け目の中へ入っていくのでした。

一番幼い子どもが、途中で引き返し、
笛吹き男を一緒に連れて行こうとしましたが、
笛吹き男は首を横に振り、
子供に笛を渡します。

笛はひとりでに鳴り続け、
裂け目は閉じました。

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こんな話でした。

市長と市長夫人や首切り役人は、
平気で嘘をついており、
化け物を拝む人間達は、
良心を捨てた存在として描かれているような気がします。

最後に笛吹き男は、
子どもたちに笛を託したのですが、
未来を子供たちに託す、という意味なのかもしれません。

大王ねずみが、回りながら金貨をひり出す、
という比喩が素晴らしいですね。

笛吹きおとこが笛を吹くと、
大王ねずみは回るのをやめ、色あせたということですけど、
「笛」というと、クリシュナを思い出しますね。

クリシュナ神の使命の1つは、
ダルマ(宇宙の法と秩序)の復興
だったそうですが、

「ハーメルンの死の舞踏」を読んで、
世の中に、宇宙の法と秩序が復興してきたら、
自然と、大王ねずみの回転(魔物の動き・悪魔の循環)は
止まるのだろう
とも感じました。

本当は、妄想を書こうと思っていたのですが、

ハーメルンの笛吹き男の紹介になってしまいました。

ありがとうございました♡

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